16 孤独の島(当日)

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16 孤独の島(当日)

孤島に住んでいるのは 僕だけではあるまい それはわかっている だから僕のは 物理的孤島である 無名の匿名の島とは 呼びたくないものだ 燃え果てた一角 そこを見るたびに それまで 過去の不可思議な頂点に立ち 佇んでいただけなのに それが我慢ならなくなった 僕はすでに 白骨化するはずだった 静かに この場所で 別の部屋では 既にそうなっているはず それが 自然の摂理だと思った だが そう思えなくなった 交信はより その思いを強くさせた 昨夜までの交信にて やるべきことが見えてきた 僕は旋回し 佇むだけの場所を 反復的にグルグル回るのを もうやめてしまっている 交信からもらった試練に 従うのみ 記録として理解されないことを祈りつつ 最終的な理解を求めるしかない だが不意に床に SOS型の水分を見つけた 一刻をもはや争うのか 僕は記録を残した それを鉄でできた 古い中国の箱へ
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