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【4】
翌日の学校は、大騒ぎだった。
武井先生は千絵殺害の犯行を認め、殺人容疑で捕まったのだから当然だろう。クラス、いや、学校中が、例の少女遺体遺棄事件との関連を交えて、あることないこと噂した。
「そうなんだ。ワタシはもう、胸がつぶされるように辛くてね。わかっていたんだ、机が裏返しになっていた謎はっ!」
クラスの真ん中で、舞台俳優よろしく堂々と演説をしているのは琴音である。事件を解決した名探偵として、一躍有名になったのは意外だった。
もしかしたら当事者である私を慮って、私に注目を集めないように配慮してくれているのかもしれないし。琴音本人のつらさや悲しみを、大袈裟な演技で誤魔化そうとしているのかもしれない。
そんな騒がしさのなか一日が過ぎ、放課後になった。
昨日のような事件に巻き込まれては面倒だと、さっさと帰る支度をする私に、一通のメールが届いた。
確認すると、差出人は神楽先生で。
私のなかで、歓喜が弾けた。
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