第六章 重要参考人なう

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「まぁ……詳しいことは捜査上言えませんが、逆恨みの上での犯行だったようです」 「…だろうな。あの徹が夢中で世話をやくような相手だからな。人に恨みをかうような奴じゃないだろ」 「……そういうわけなので、社長がいらしたら、よろしくお伝えください。まぁ、オレたちはガイシャの重村さんにも今から報告に行きますンで」 「おいおい、順番が逆じゃねーのか?」 「いやいや、病院に朝早くから押しかけられるほど、オレたちだって空気よめないわけじゃないッスから」 「…あの、差し出がましいとは思いますけど、たぶん先輩、病院にずっと泊まったんじゃないですか?」  武蔵はまさか…とは思いつつ、昨日、事情聴取後に飛ぶように病院に向かった彼の後ろ姿を思い出した。 「いや、それはいくらなんでもないんじゃねーか、武蔵?」 「東さんだってご覧になったじゃないですか?」    あんな先輩の姿を見たの、初めてでしたよ。
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