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「…あの、どいてくれない…?」
「え?……あっ!!///」
私に乗っかったままの女の子はようやく状況を理解したのか固まっていた。
そして。
上半身が自由になった私は廊下に寝ている状態から体を起こすと打ちつけた頭を右手でさすった。
……突然の事で受け身の体勢を取れなかった分、打ちつけた場所には痛みがあったが…。
特に対したことはなく。
ホッと胸を撫で下ろした。
……よかった。
また入院することになったらシャレにならん!!
胸を撫で下ろしている様子を見ていたのか、目の前にいる金髪の女の子とふと視線がぶつかると。
その子は私の顔を見るなり、みるみる顔が真っ赤に染まっていった。
その様子にジッと凝視しながら伺っていると、なぜか視線を避けるように目線を下げ、うっすら口を開いた。
「…あ……えっ……と…」
消え入るような、小さな声で金髪の女の子がモジモジしながら話しかけた瞬間に。
事の一部始終を見ていた女の子達が何処からともなく、一斉に私に向かって集まってくる。
「大丈夫!?」
「ケガしてない?」
ワイワイ集まってきた女子の集団に話しかけられながら顔をひきつらせていると
、女の子は無言でスッと立ち上がり、立ち去ろうとした。
「私は大丈夫。私よりその子を……」
そう言いかけると、この場を離れようとしたその子は足を挫いて体勢を崩すと。
また、勢いよく私に向かって倒れ込んできた。
「ご、ごめ……わ、わざとじゃ……」
「…だ、大丈夫……」
…わざとじゃないのは分かってる。
が、地味に痛い…(泣)
私より、か弱い女の子ならきっと泣いてしまうだろう…。
そう、目の前にいる女の子のような、か弱い雰囲気の……。
フッと目の前にいる女の子へ視線を送る。
私に寄りかかったその子は金髪のサラサラロングの髪に色白で華奢な可愛らしい姿をしていた。
そう、私とは真逆な…。
「Σ!ちょ、ち、近いっ///」
女の子の顔を見上げながら見つめていると、真っ赤な顔で動揺する女の子を見て頭をそっと触れた。
金髪の髪が指に絡まり、指先からサラサラと流れる。
私の指の動きに反応した女の子の体がビクッと動いた。
「……大丈夫だから落ち着いて…?」
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