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優しく語りかけながら女の子の腕を掴み、体をそっと廊下へと移動させた。
……とりあえず、ここは。
お互いにケガをしているようだし。
一度、保健室へ行くべきだろう。
そう思い、私は立ち上がって女の子に背を向けて屈み座りをする。
「……背中に乗って。その足では歩けないでしょ?」
「え?」
「え?じゃなくて。ほら、背中に乗って」
「え、、なっ、な…///」
「お互いにケガしているから、保健室に行かないと…」
「だ、だからって、、背中になんて乗れな…い……っ!?///」
押し問答が続きそうな雰囲気に痺れを切らして。
女の子の手を掴み、強引に背中へと導いた。
「ちゃんと肩に掴まって。今、立ち上がるから。」
「ちょ、ちょっと!!アンタ!!何すんのよ!!///ひ、人の話を聞いてんのっ!?」
背中で何かゴチャゴチャ言ってるみたいだけど。
私………。
とりあえず、この女子の集団から離れたい……。
限界きたみたいで。
……女の子の匂いに酔ってきて倒れそうだし……(泣)
スッと立ち上がると、何故か周囲からキャアアアッとか、イヤアァアアとか歓喜の悲鳴?が沸き上がった。
……これが女子高なのかな。
私には理解できそうにないな……(汗)
慣れない環境に置かれて既に心が折れかけそうになりながらも。
今はケガをしているこの子を保健室へと連れて行かなければ……。
周囲の痛い視線を避けながら、ゆっくり歩くと。
タイミング良く、始業のベルが鳴り始めた。
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