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「…ん、分かった。じゃあ、保健室に連れて行くから、しっかり肩につかまってね?」
やんわりと夏奈にそう伝えると、夏奈は黙ったままギュッと細い腕を私の肩に回してきた。
「真琴…アンタって…。本当に女なの…?」
「うん。女だけど?なんで?」
「(見た目イケメンなのに…)本当に『女』なんだ…」
「ハハッ、よく男に間違われて大変だけどね…(笑)」
毎度よくされる質問に苦笑いしていると、夏奈は黙り込んだ。
「さっきは……男と思って…。ひっぱたいて…ゴメンね……」
「え?何?夏菜の声、小さくて聞こえない」
蚊の泣くような小さな声で話し掛ける夏菜に「聞こえなかった」って問いかけたけど。
「……なんでもないから!!///ほら、そこ曲がって!!」
「わ、分かった…(汗)」
う~ん、……なんだろう??
…ツンデレの考えてる事はよく分からん。
あまり深く考えないでおこう。
それから夏奈とは、たわいない話をしながら歩いていると、いつの間にか保健室に到着していた。
私は夏奈を背中に抱え、保健室のドアを開ける。
開けた先には窓際に立つ、長い髪を後ろで一つにくくった、白衣を着たグラマーな女性がこちらを振り返った。
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