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振り返った女性は私達を見るなり、ニヤニヤしながら近づいてきた。
「あら~美月さん。女子高に彼氏連れ込んじゃダメじゃない?保健室で何するつもりだったの…?(笑)」
「ち、違うわよ!!彼氏なんかじゃないわよ!!///」
慌てた夏奈が真っ赤になって、しどろもどろになりながら女性に向かって怒鳴り始めた。
怒鳴る夏菜を無視して。白衣を着た女性は私に詰め寄って来て、頭からつま先までジィーッと見つめられる。
な、なんだろ?
私…なんか変……?(汗)
じっくり見回され、気恥ずかしくなった私は背中に乗る夏奈を近くにあった椅子にそっと降ろして、女性の視線から外れようとするが。
そんな私に女性はお構い無く近付いて詰め寄ると。
急に私の顔を両手で挟み、ジッとお互いを見つめ合うように顔を固定した。
……な、な……///
なんか恥ずかしいんだけど…。
自分の顔が、見る見る内に赤くなっていくのが分かる。
……いくら同じ女でも。
大人の女性の色気に、思わずドキッとしてしまう。
内心バクバクしている私にジッと見つめていた女性は何かを確信したかのように
口を開いた。
「ねぇ…あなた、もしかして………女の子?」
驚いた様子の女性に、私は恥ずかしさからコクンと頷く。
「ウソ!!ヤダ~!!可愛いい!!ねぇ、本当に男じゃないの!?」
「は…はい…///」
顔が…ち、近いっ!!(汗)
焦る私に詰め寄る女性は今度はギュッと抱き締めてきた。
「ちょ、ちょっと!!アンタ、養護教諭の癖に何してんのよ!!」
迫られてタジタジの私に、夏奈の助け船のおかげ(?)で仕方なく、養護教諭と呼ばれた女性は私から離れていった。
「だって可愛いんだも~ん♪アナタ…名前は…?」
囁かれるように話す先生の甘い吐息が耳元に吹きかかって。
恥ずかしすぎて、思わず口元を手を隠しながら答える。
「……ッ…上原真琴です、今日転校してきたのでよろしくお願いします……んんっ!?///」
名前を教えた瞬間に、ほっぺにプニュと柔らかい感触がした。
「…私は養護教諭の片瀬みのり。真琴クン、いつでも保健室に来てね♪先生がいろんな事、優しく教えてあ・げ・る♪」
クスリと笑いながらウィンクする先生に。
私と夏奈は顔を赤くしたまま、口をパクパクさせていた。
…保健室はむやみに近付かないでおこう。
そう心に誓った私だった…。
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