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---とりあえず。
みのり先生が夏奈が怪我をしてないか、調べ始めた。
「…痛ッ… !!」
夏奈が痛そうに声を上げる。
どうやら右足首を軽くひねったようで、ひねった足首が少し腫れ上がっているようだ。
そして擦りむいた傷を先生が消毒している間、階段から足を踏み外した夏奈を受け止めた私は念のために。と先生に言われて2つのベッドの内、空いていたベッドに寝ていた。
もう1つは先客がいるらしく、カーテン閉められていた。
……ハァ…。
なんだか慣れない環境で疲れた……(泣)
これから先。
この慣れない空気に耐えていかなきゃいけないと思うと、ため息しか出てこない…。
朝から緊張感が続いた私は精神的な疲れからか、知らぬ間にスゥ…と眠りに着いてしまった。
その間、先生と夏奈が何か話していたようだけど。
眠りに着いた私の耳には届かなかった。
「美月さん、さっきからベッドばかり見てるけど。…真琴クンが気になるの?(笑)」
「ちがっ///な、何言ってんのよ!!///」
無意識に真琴が寝ているベッドを見ていた私は先生に指摘されて。
プイッと視線を反らした。
「ふふふ、美月さんの今の顔、TVで見た事ないから。いつも作ったような顔ばかりしてるじゃない…?」
本当の事を指摘されて。
一瞬、言葉に詰まった私はまた悪態をついた返事を返した。
「ア、アンタには関係ないでしょ!///」
「またまたぁ~♪ツンツンしていたら真琴クンに嫌われるわよ?(笑)」
制服を脱いで背中に傷がないか、丹念に調べてもらう。
…どうせ。
近寄ってくる同性は私の悪口ばっかだから。
普通に話したの、久しぶりだったから気になっただけよ。
黙っていると、つい唇を噛んでしまっている。
「まぁ…美月さんだけじゃないんだけどね、素直じゃない子は…」
フゥ…とため息をついた先生はカーテンが閉まっている方へと視線を移す。
そして真琴が寝ているベッドへと視線を移すと、いつの間にかカーテンが閉まっていた。
すると先生が何か思い出したようで、慌てて真琴が寝ているベッドに近寄って行く。
そしてカーテンを一気にシャアアッと開けると。
寝ている真琴に馬乗りになっている、私の大っ嫌いな女が。真琴に迫っていた。
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