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黒髪がサラサラしていて、長い睫毛、薄い唇にドキドキしながら。
そっと触れてみた。
「んっ…」
悩ましげに漏れた吐息にドキンと心臓がはね上がる。
うっすら開いた唇から目が離せなくて、長い私の黒髪が彼に触れないように指でかき上げて、馬乗りになるような体勢から徐々に顔を下げていく。
どんどん近付く唇に私はドキドキドキしながら目を閉じて。
そっと唇に重ねようとした、その時だった。
カーテンがシャアアッと開いて。
夏奈と養護教諭がびっくりした表情でこちらを見つめていた。
「唯……アンタ、真琴に何しようとしてんのよッッ!!」
キレる夏奈の姿を初めて見た私は驚いたものの。
少し優越感に浸る。
「…何って…見ててわかんないの?今から襲っちゃうに決まってるでしょ…だから邪魔しないでくれる?売れないぺちゃ胸グラドルの夏奈サン…?(笑)」
クスッと笑いながら嫌味を言った私にカチンときたのか、夏奈が言い返してくる。
「うるさいわね!このビッチグラビアが!!いい加減、真琴から離れなさいよ!」
はぁああ??
誰がビッチだって!?(怒)
TVでブリブリして猫かぶって裏の顔は性格ブスのクソ生意気女のくせに…(怒)
夏奈と睨み合っていると、養護教諭が私達の間に入ってきた。
「ちょっと二人共。大声でケンカしていたら…真琴クン、起きちゃうわよ?!」
そう言われて。
ハッとした私は寝ている彼を見下ろす。
「……あの、もう起きてます…(汗)」
目覚めた彼と目が合って動揺した私は、馬乗りになっていた体勢から一気に
力が抜けて彼に倒れてしまった。
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