第1章 転校生はイケメン女子。

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「…初めまして、上原麻琴です…よろしくお願いします…」 転校早々、クラスで自己紹介。 人前が苦手な私は。 ざわつくクラスの中で少し戸惑いながら周りを見渡した。 教卓から見える光景はどこを見ても、女、女、女。 オール女子。 可愛い制服を着て。 可愛らしい女の子達がキャアキャアと黄色い声をあげて叫んでいる……。 ヤダな…。 …この雰囲気、私は苦手だ…(焦) 目線を落として。 軽くため息をついた瞬間。 キャアアアッッと高い声が耳奥にまで響く。 ………。 なんだろう…私、何かしただろうか?(汗) 自己紹介も無難にこなしたハズなのに…。 目を輝かせた女の子達の絡み付くような視線が。 何故か。 私に集中している、ような気がする……。 その鋭い視線に反応して。 思わず後ずさってしまうと一番後ろの席にいた、メガネをかけた女の子が。 スッと立ち上がった。 「先生!! クラス委員の私が責任を持って!!上原さんの面倒見ますっ!!」 キリッとした口調でメガネの端を持ち上げて。 優等生な回答で私の隣に立つ担任に返事をかえすと。 何故か…。 クラス委員の女の子にクラス全員のブーイングが始まった。 ヒイイッ!!(泣) 女子の集団、マジで怖い…。 動揺して。 無意識に隣に立つ担任の佐々木先生の服の端をギュッと掴むと。 先生は少し驚いた顔をして。 それから目を細めて……クスッと笑った。 「…そうだな、じゃあ上原の事は七瀬に任せた。席も七瀬の隣に決定する、それでいいな?」 そう言うと。 佐々木先生は何故か私に近付いてきて、そして―― 「…お前もそれでいいんだな?上原…?」 私の耳元でそっと囁いた。 「Σ!!~~ッッ!?//////」 驚いた私は慌てて耳を手で塞ぐと。 佐々木先生はニヤニヤしながら私にウインクをする。 な、な、なんなんだー!! このセクハラ教師はッッ!!//////
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