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……………。
………お父さん、お母さん、お兄ちゃん達…。
私は大変な事をしてしまったらしい。
今、目の前にいる七瀬さんが…。
おかしくなってしまったよ……(泣)
俯いていた七瀬さんが顔を上げると、ニヤニヤと顔を緩ませて。
不気味な笑い声を発していた…。
「な、七瀬……さん…??」
不気味な笑い声に怯えて。
躊躇いがちに声を掛けると、七瀬さんは聞こえていないのか、ブツブツと何か呪文のような事を発しながら、両手で身体を抱き締めながらクネクネと動いていた。
あ、これヤバイ………。
まるでホラー映画みたいだ…(怖)
たぶんその後は急に腕を捕まれて、やられるパターン。
よくある、ホラー映画あるあるを呑気に思い出しながら立ち止まっていると、七瀬さんが勢いよく腕を掴んできた。
………へ!?
力、強ッッ!?
可愛らしい容姿から想像も出来ないくらい、七瀬さんの腕の力が思ったよりも強く私の身体を壁に押し付けた。
その光景は端(はた)から見たら、誰がどう見ても。
壁ドンしてるようにしか見えない…。
「な、七瀬さんッッ!!////」
思わず必死に七瀬さんに呼び掛けると、ハッとした様子の七瀬さんの顔が目の前に………。
七瀬さんの顔が…唇が。
触れそうな程、近くにあった。
「な、七瀬、さん……っ」
息が切れ切れになりながらも、七瀬さんの名前を呼び掛けると、目が覚めたのか。
「ひゃあああwww//////」
今度はすごい勢いで向かい側の壁に七瀬さんは勢いよく吹っ飛んだ。
………い、痛そう……(焦)
壁を背にしてズルズルと廊下の床に崩れ落ちていく七瀬さんを呆然としながら私は立ち尽くして見つめていた。
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