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「ごめんね、お腹の音、聞いて笑っちゃって。でも七瀬さん、面白い。面白すぎて……目が離せない」
そう言って、また頭を優しく撫でてみた。
黙って俯いたままの七瀬さんがなかなか顔を上げなくて心配になってくる。
………わ、笑いすぎたかな…。
でも、なんだか可愛い。
初めて会った時は、しっかり者でお姉さんのような落ち着いたような印象が。
かなりのドジっ子っぽい、と分かって。
なんだか、ほっとけないような。
そんな気持ちになってくる。
女の子が苦手な私が珍しく七瀬さんに興味が湧いていた。
「……もう…いや…恥ずかしくて死にたい……(泣)」
絶望的な声を発して両手で顔を包み隠した七瀬さんにクスクス笑って、またポンポン頭を撫でた。
「大丈夫だよ、今の事は七瀬さんと私だけの秘密にしよう?ね…?」
と、優しく声をかけた。
「……秘密に、して下さい………てか、今の事、全部忘れて…(泣)」
挙動不審に視線が泳いでいる七瀬さんを見て思わず苦笑いをする。
「私も変な所見られたから。お互いに秘密って事で。……それなら七瀬さんも安心出来るよね?」
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