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「はい。むしろ雷魔術が一番得意でしたよ。」
「レファルラ様は昔、一部の人から雷帝と呼ばれてた程ですよ。」
「えぇー!」
ナトレーさんの突然の発言に、私は大きな声を上げてしまいました。
ディムさんが音を遮断していてくれなければ、屋敷中に届いていたかもしれません。
「まあ、昔の話ですからね。」
《雷は俺も使えない魔術だからな。ティアルにとっては誰よりも良い師になる。そしてレファルラにとっても運命だったのだろうな。》
「そうですね。私も後継者を見つけたような気持ちになっています。」
私がお母様の過去に驚いていると、ディムさんはお母様がティアルさんを指導している理由の本当の意味に気付いていました。
「そうだったんですね。」
私はお母様が楽しく過ごしている事を知って、凄く嬉しく思いました。
魔術の話から、リリアナちゃんの魔術の話になり、ドスドラさんを助けた時のリリアナちゃんの活躍から、妖狐族の国のダンジョンで、リリアナちゃんとルルノさんの魔術の見せ合いの話になりました。
リリアナちゃんは、風魔術での浮遊や、魔術練習などでは魔力を適正に出す事が出来ますが、いざ本番の攻撃魔法を使う時になると、ちょっと魔力が多くなるんですよね。
それは、気合と一緒に魔力も上がってしまうのが原因で、
《しっかりと集中出来ているし、制御も出来ている。無意識に魔力が乗るのは子供だからな。何も問題ない。》
と、ディムさんが私に話してくれました。
そして妖狐族での出来事の話になり、精霊のハクライ様や祭りの話などはもちろん、美味しい料理とお酒。そしてお菓子の事を沢山話しました。
もちろん実物をリリアナちゃんが出してくれて、お母様達も夕食を済ませていましたが、試食という感じでスシを一緒に食べました。
それから、日本酒と、妖狐族のお店で買った柿と栗に、乾燥させた茸と魚をナトレーさんの倉庫に入れ、私達はクラリムでの再開の約束をしました。
翌日、御者席でドランの手綱を握るのはリリアナちゃん。
正確にはロフェアさんの膝の上に乗って、一緒に手綱を掴んでいます。
そしてディムさんはリリアナちゃんの帽子になっているので、客車の中は私とルヴィア様の二人になっていました。
ケットシーのサファは私の膝の上で寛いでいます。
ルヴィア様と二人きりという状況が初めてだと気付いた私。
ルヴィア様は相変わらず読書をしているので、何かをしなければという状況にはならないのですが、折角なので何か訊ねたいことはないかと、自身に問いかけながら思考を張り巡らせてみました。
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