フルララ、クラリムへ。

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 ロフェアさんは普段は真顔で、初対面の方だと威圧感があって近づき難い感じになるのですが、商店街の人達からは、私が紹介する前から笑顔をロフェアさんに送っていました。  どうしてでしょうか?  悩んでも判らなかったので、私は気にするのをやめて屋敷へと戻りました。 「ただいま戻りましたぁ~」 「フルララおかえり~」  玄関の扉を開けてエントランスへと入ると、リリアナちゃんが待っていてくれました。  そしてリリアナちゃんから微かに、カステラの甘い匂いがしてきました。 「アンジェとティエスがきてる!」  そう言いながら私の手を取ってリビングへと引っ張っていきます。 「そうなんですね。」  リビングでは、アンジェちゃん達とルーテアさんがソファに座っていて、テーブルの上にはカステラとお団子と、そしてあの、お土産で貰った箱入りのお菓子がありました。    メルヴィール家はリリアナちゃんの次元倉庫の事を知っているので気兼ねなくお菓子などを出せますが、どこで買ってきたのか説明したのでしょうか?  それから私は、サファがどこに居るのか部屋の中を見渡すと、絨毯の上で体を伸ばして寛いでいるのが見えました。  あっ! ルーテアさん達にはサファが妖精種だって判るんだった。  説明は…後で良いですね。 「こんにちわルーテアさん。」 「お帰りなさいフルララさん。ごめんなさいね、皆さんの馬車を見かけたので子供達に話したら、直ぐに会いに行くと言って、聞かなくて…」 「いえ、リリアナちゃんも早く会いたいと言っていましたから、昼食を済ませたらお邪魔する予定でしたので。」 「そうでしたか。」 「それに丁度、お土産を逸早く食べて貰うこともできましたしね。」 「はい、アンジェもティエスも、とても喜んでいます。」  この様子だと、魔族領に行っていたことは話していないようですね。 「フルララもロフェアもはやく!」  ルーテアさんが席を立ち、私と立ち話になってしまっていたので、結果的にティータイムを中断してしまっていました。  ティータイムといっても内容的には昼食なんですけどね。 「はい、おまたせ。」   私は、リリアナちゃんの隣に居たディムさんを膝の上に乗せて席に着きました。  そして一緒に座ったロフェアさんをルーテアさん達に紹介し、また、クラリムのダンジョンに遊びに行くことを話しました。 「ほんと! やったぁー!」  大きく喜ぶアンジェちゃん。 「この子ったら、実践的な魔術の練習が出来なくて拗ねていたんですよ。」  その理由をルーテアさんが教えてくれました。
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