100個の約束

2

「今日はお揃いを見つけに行こう」

　大きなショッピングモールの中。

　あなたと歩き回った先で見つけた人気のアパレルショップ。

「でも私チビだから」

　そういう私の手を引き、大きなキャラクターの顔がプリントされたトレーナーと迷彩柄のパンツを手渡された。

「ファッションショーしよう」

　それなりに人がいたけれどかなりたくさんの試着室があったので、互いに選んできたお揃いの服を着て見せ合う。

　スラリと背の高いあなたと平均より小さな私とじゃあ、同じものを着ていても大人っぽく見える一方で私はどう見ても子どもにしか見えない。

「やっぱり変だよー」

「変じゃない、お揃いだからいーの！」

　白いスニーカーにグレーのキャップ、リングを吊ったネックレスも買って、頭の先から足の先まで同じものを身に付けた。

　恥ずかしくてずっと体温が上がりっぱなしだったけれど、2人だけの特別だと思うと嬉しい心もあって『早く着て歩きたい！』と何度も話す、正直な言葉を口にするあなたに少しばかり嫉妬した。