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「ーーいやまぁ感動作だけどさ、泣きすぎじゃない?」
すっぴんで良かったと思う程に泣きすぎて、空だったはずのゴミ箱はティッシュの海だ。
“全米とは言えないが、監督は泣いた”
という妙なキャッチコピーに引かれ、しかも今日が結婚してから100日目の記念日という事でレンタルした作品。
想像以上の感動作と言うべきか、役者さんたちの自然すぎる時の流れに惹き込まれ、いつの間にか色の変わった陽の光に照らされた部屋の中で彼へ抱きついた。
「これからもずっとずっと一緒にいよーね」
「感化されやすいなぁ」
「陽くんは嫌なの?」
「まさか。来世もその次も、ずっとずっとずーっと一緒にいるつもりだよ」
100日目、おめでとう!
互いの息が触れ合い優しくそっと口づけしようとしたとき。
「実はさ」
不意に陽くんが口を開いた。
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