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「 足利!」
出席番号がよく一番になる私、足利 冬は17歳になって最初のテスト返しに元気よく返事する。
「足利は、日本史だけはいつも点数が抜群にいいよなあ。」
先生がため息をつく。
「点数いいんだからため息つかないで下さいよ!」
私は文句を言うけど自分の席にはルンルンに戻って行った。
「さすが歴史オタク!」
隣の席の幼馴染のフランがからかってくる。高杉フラン。日本人のお父さんとフランス人のお母さんを持つハーフの男の子。金髪で青い瞳の漫画に出てくるような王子様顔、だけど体育と英語以外、毎回赤点の残念男子だ。
「歴史オタクでいいもん!」
私がぷいっと顔を背けるとフランがくすくす笑いながら、
「昔から、子ども向けのアニメより大河ドラマ。将来の結婚したい相手は伊達政宗だって言ってたもんな!」
大河ドラマは今だって見ているし、大好きだ。けどさすがに伊達政宗と結婚したいと言ったことは内緒にしてほしい。・・・伊達政宗は大好きだけど、さすがに死んだ人とは結婚できないし、想いを伝えることもできないし、伝えれる立場でもないし。
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