第1章 小さな命の対価

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第1章 小さな命の対価

「位置について。よーい……」 パアア…ン!! 合図と共に、勢いよく走りだすランナー。 陸上部の、同じ長距離に所属する、私と柊子(シュウコ)だ。 高校に入学してすぐ、なんとなく仲良くなったけれど、今じゃあ、一番仲がいい友達だ。 「はああああ……」 ゴールした後、柊子がよろめく。 「紗香(サヤカ)に負けた~。これで10連敗。」 「だって私、最近調子いいもん♪」 私は前髪を右側に寄せながら、ピースサインを見せた。 私 岩崎紗香(イワサキ サヤカ)と、彼女 松川柊子(マツカワ シュウコ)は、いつもこう言いながら、練習のタイムを競っていた。
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