【獣人攻め】抱擁するは許されざる愛

　獣人、と呼ばれる種族がいる。
　古い神々が人間を産み出すよりもなお古い時代に産み落としたとされる種族。頭は狼。身体つきは人間のそれと酷似しているが、全身を服ではなく豊かな毛によって覆われている。
　知能は人間の子供並みで、高い文明は有さない。だが、屈強で俊敏な身体は、こと人間にとっては十分すぎるほどの脅威であり、事実、これまでも多くの国や集落が獣人によって滅ぼされてきた。
　ひとたび獣人に襲われた村では、男は一人残らず殺され、女と子供は嬲り者にされた上でやはり殺される。人間たちは彼らを恐れ、特に、自警団程度の武力しか有さない辺境の町や集落にとっては死活問題にもなりうる脅威となっている。
　そんな、か弱き者たちの救世主が、世に言う獣人殺しと呼ばれる異種殺したちだ。