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源三郎江戸日記(弟四部)10
それは安う御座るなと言うので、高鍋の玄海屋の番頭をよこしますので、道中奉行と段取りを決めてくだされと言うと、わかり申したというので、若年寄り就任祝いに5000両寄進いたし、
ます、遠慮なさるな豊後屋から没収した金寸の半分に御座る、これからは何かと物入りでしょうと言うと、それがしに何をやれとと言うので、幕閣でお味方をして下されというと、それ、
は当然お味方もうすと言ったのです、
この藩には悪者がいないようで、そうなると儲からないのですと言うと、なる程、悪人がいれば合法的に没収できるわけですなと笑ったのです、楽しい酒で御座った、江戸でお待ちいた、
しておりますぞ、高鍋藩も騒動があったみたいですな、藩兵が必要ならお貸ししますぞ、遠慮なく言ってくだされと言うので、かたじけない、黒いネズミを退治してきますと杯を重ねる、
と2人で飲み干したのです、
才蔵と呼ぶと、ハイと言うので七衛門に言うて5000両を船から降ろして、町奉行に船の停泊賃だと言って引き渡すように言ってくれと頼むと、承知と言うと傍を離れたのです、牧野が、
かたじけないと言って、警護の忍びで御座るなと言うので、よく、働いてくれますと言うと、道中気をつけなされと言うと、牧野は傍を離れたのです、奥にいた武士2人が会釈して後、
を追ったのです、
七衛門が町奉行所に5000両を船の泊まり賃でございますと、奉行に渡すと、殿から聞いております、ありがたく頂戴します、何か入りような物はありませぬかと聞くので、米を50俵購入、
したいのですがと言うと、豊作でしたので藩米が沢山あります、進呈しましょうと言うので、それはありがたいと言うと、船に積み込ませましょうと言って、配下に命令したのです、
殿がこれからは玄海屋殿にはお世話になるので宜しく言うてくれと言われておりますと言うので、何でも言うてくだされと七衛門が言ったのです、源三郎は旅籠に戻ると山形達も戻って、
来て、何も問題ないようですと言うので、平穏な事は良い事じあと言うと、七衛門が入って来て、5000両は渡して置きました、米50俵を頂ましたと言うので、そうか、船には何表あるの、
じあと聞くと、
今のを入れて200俵程積んでありますと言うので、薩摩も米不足じあろう、きっと役に立つだろう、中々機転が利くのうと言うと、何年も殿に仕えていますよと笑うので、そうであった、
牧野藩の参勤交代の段取りを時次郎に頼んでくれと言うと、承知しましたと言うので、ところで高鍋藩の事じあがと話して、こんどは一毛打尽にするぞと言うと、お~とみんなが言った、
のです、
翌日は船にのり高鍋へ向かい、程なく着いて上陸して屋敷に入ると、お爺様が出迎えたので、体の具合はと聞くと、なんの、歳じあから前のようにはいかんが、大丈夫じあよと言うので、
部屋に上がり、お久振りです、お婆様もご壮健で何よりですと言うと、今回は7万石の大名になり、しかも老中になったとか、大出世じあなわたしは嬉しくてと涙を流すので、お爺様と、
お婆様のお陰に御座りますと言うと、
祖父が泣くでない、目出度いのじあ、今日はご馳走を一杯食わしてやれと言うと、ハイ、腕によりをかけますぞと言ったのです、ネズミ退治をしなければなりませぬが、よくぞ遠山を守、
ってくだされたと言うと、今回はそなたの国元川越藩城代家老にしたそうじあな、誰よりも頼りになるであろうと言うので、ハイ殿には感謝しておりますと言うと、白石にも困ったもん、
じあ、
あ奴は改心等せぬであろうと言うので、今回は殿が忠罰もやもうえまいと言われておりますと言うと、そなたは手を汚したくないじゃろうが、仕方あるまい、戸田の小次郎に手助けさせる、
と良いと言うので、分かりました、戸田先生にも会うて来ますと言うと、そなたの出世を大層喜んでおられたぞ、教えた剣の極意通りに生きているのが嬉しいと言うておられたぞと言うの、
で、
そうでしたか、お2人とも長生きしてくだされて嬉しゆう御座りますと言うと、お前の顔を見て安心したぞ、何も変わっておらぬようじあのうと言うので、変わりようがありませぬと言う、
と、いや、正座が出来るようになったのが、変わったところか、足はくずせと言うので、あぐらをかき、さすがに城中では足は崩せませぬ、上様に練習するように言われたのですと言うと、
そうであったかと笑ったのです、
それでは戸田先生に会って来ますと言って、屋敷を出て道場に行くと、門弟が出て来て、これは源三郎様こちらにと道場に案内するので、道場に行き座ると、奥から戸田先生が出て来たの、
で、お久しぶりに御座いますと言うと、大層出世したそうじあな、めでたい事じあと言うので、目出度い事でしょうかと言うと、ハハハ苦労ばかり多いじあろうと笑ったのです、小次郎、
立ち会うてみよというので、
しからば真剣にてと言うと、かまわぬというので、前に出て刀を抜き正眼に構えると、小次郎も正眼に構えて、ジリジリ間合いをつめると、小次郎が一気に振り下ろしたのですが、源三郎、
は目の前から消えて後ろに構えたのです、慌てて振り返るとえ~いと振り下ろし肩先でピタ~と止めると、小次郎がまいったと右手を上げたのです、お互いに礼をして元の位置に座ると、
小次郎がどういう手で御座るかと聞くので、
秘剣霧隠に御座います、先生に伝授して、貰ってから初めて使いました、大分腕を上げられたようで、まともに戦えば、それがしの負けに御座ると言うと、それが霧隠で御座るか、初めて、
みました、やっとまともに戦こうて、下さりましたなと言うので、その腕なら江戸の剣客でも、互角に立ち会えるのは数人で御座りましょうと言うと、戸田がよく覚えていたな、さすが、
修羅場を潜っていると見える、
小次郎、今回は源三郎の、助太刀をするのじあ、存分に腕を発揮せよと言うと、ハハッと言うので、頼もしい、助太刀で御座ると言うと、源三郎と言うので立ち上がり、奥について行くと、
大変な役目じあのう、今回は白石は切り捨てねばならぬ、それは小次郎がやるのでまかせよ、そなたは切り捨てる事など出来ぬと笑うので、済みませぬと言うと、いいのじあよ、それが、
剣の極意じあと言ったのです、
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