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源三郎江戸日記(弟四部)11
道場を小次郎と連れ立ってでて、小料理屋に顔を出すと、源三郎様いつお戻りでと言うので、今じあよ、元気そうじあなと言うと、ハイと返事して座敷に案内したので座り、こちらは戸田、
小次郎殿で高鍋藩100石取りの剣術指南役じあと紹介すると、まあ戸田の御隠居様の息子様ですかと言うので、小次郎は遊ばないので花街には姿はみせぬのじあよと言うと、無粋で申し訳、
ないと言うので、
役目がら仕方御座らぬというと、女将が酌をしたので杯を重ねたのです、港の沖に軍船を停泊させているので、白石達はわしが来ているのに気づいたであろう、何処かに集まり機を、うか、
がっているはずじあ、小次郎殿は仲間に入るように誘われなかったので御座るかと聞くと、しつこく、誘われていますが、それがしは誰の味方もしませぬと言うので、今回はと聞くと親父、
殿の命令で御座います、
源三郎殿の助太刀をいたしますると言うので、奥方はと聞くと、いませぬ、剣の道には邪魔に御座ると言うので、邪魔にはなりませぬ、跡継ぎに極意を伝えてこそ奉公に御座るぞと言うと、
そうで御座るかと言うので、霧隠はわしが伝授して貰ったが、もう一つ戸田先生は秘剣を編み出されています、それは胡蝶の舞と言うのだそうです、どんな物かは知りませぬが、霧隠を、
さらに工夫したものだと言うておられました、
恐らく小次郎殿に伝授なさるのでしょうと言うと、そうでしょうかと言うので、それがしが霧隠を伝授して貰ったのは江戸に出立する前です、別れの前です、小次郎殿へは黄泉の国に行か、
れる前に伝授なさるのでしょう、兄の話によれば兄が江戸家老になった後の近習頭に小次郎殿との言葉があったそうですが、戸田先生が近習頭は殿の命があれば、たとえ親でも上意打ちに、
せねばならぬ、
いまだ小次郎はその覚悟が出来ていない、その覚悟が出来るまでお待ちくだされと言われたそうで、今は近習頭は空席になっており、兄が代行しています、兄は江戸常駐となりますので、
次の参勤交代までに決めなければなりませぬ、今回が良い機会だと思われて、それがしに助太刀するように言われたのでしょうと言うと、そうで、御座ったか、前に真剣で立ち会おうと、
言われたとき、
断りましたので、そう思われたのでしょう、それで今回源三郎殿と真剣で立ち会わせたのですねと言うので、前に道場に寄った時に、次は真剣にて立ち会うように申しつけられていたの、
ですと言うと、よく、わかりました、それがしの躊躇心がまだまだだと思わせていたので御座るなと酒を飲み干すので、剣は人を殺すのが目的ではありませぬが、役目とあらば人の首も、
はねなければならないのですと言うと、
しかし、源三郎殿は、出来ぬでありましょうと笑うので、実はそうなので御座る、そんな役目は断りたいのですが、なぜか巻き込まれるのですよと言ったのです、しかし、今回はそうは、
いかないようです、高鍋藩の悪い根は根絶する、決心をしましたと言うと、承知つかまった、それがしも覚悟してかかりますと言ったのです、飛猿と言うとハイと部屋に入って来たので、
国家老2人にここに護衛はつけずに来るように言うてくれ、わしと一緒になるまでは襲われないので、心配いらないと伝えよ、奴らはわしが密談しているとして、帰りを待ち伏せるじあ、
ろう、山形と七衛門に用意をするように伝えよと言うと、承知と言うと部屋を出て行ったのです、女将を呼んで話は終わりじあと言って、今回は遠山をわしの家臣にしたので高鍋を離れ、
て川越にいる、
すまんのうと言うと、800石で城代家老におなりになったそうで、惚れた男が出世するのは嬉しい事ですと言うので、そこでじあ、女将は川越で料理屋をやらぬか、資金はわしが出すぞ、
と言うと、本当で御座りますかと言うので、この店は誰かに任せて川越で店を開き、遠山の世話をしてくれ、多くの藩士を束ねるのは骨が折れる事じあろう、女将がいれば心が安らぐ、
であろうというと、
ハイ、そうなると嬉しいですと言うので、玄海屋の時次郎に話しておく、船にのれば4日で江戸につき、それから半日で川越じあ、店の手当てに女中、板前も用意させようと言うと、ハイ、
有難う御座います、ここは女中頭にまかせますと言うので、明日でも時次郎をよこすので話をしてくれと言ったのです、これで、一つは終わったというと、な程女は生きて行くのに必要、
で御座るのですかと言ったのです、
両家老が部屋に入ってきたので、志田様に田中殿ご苦労に御座ります、今回もネズミ退治に参上いたしましたと言うと、我々の落ち度に御座る申し分けないと言うので、町奉行、勘定、
奉行も敵となれば、おいそれと手は出なかったでしょらう、帰りには襲ってくるはずです、手勢は伏せてありますご心配なさいますな、まずは一献と言うと、女将が酌をしたので杯を、
重ねたのです、
才蔵が入って来て、白石の屋敷に30人程集まっています、白石の手の者がお2人の後をつけていました、この店に入るのを見届けて白石の屋敷に入りましたので、帰りに襲う準備をして、
いるはずです、飛猿以下配下が見張っています、勘定奉行、町奉行も中にいます、動きがあればお知らせしますと言って部屋を出て行ったのです、やはり、前回の世継争いの根が残って、
いたのですな、
折角殿が穏便に済まされたのに、家族はどうするつもりなのじあ、わしには良く分からぬというと、武士の面子と言うところですよと、志田が酒を飲み干したのです、田中が白石殿は、
主席家老になれなかった恨みと言うわけですと言うので、白石はそんなに治世に長けているのですかと聞くと、いや、タダの高禄のお坊ちゃんですよ、我が欲の強いお方ですと言った、
のです、
飛猿が入って来て奴らは屋敷を出て、屋敷町の要り口で待ち伏せしています、総勢35人ですと言うので、よく集めたものじあ、目付けも仲間かと聞くと、いや、目付けの時田殿は屋敷に、
いるようですというので、それでは行きますぞ、お二人は切りあいには参加しては行きませぬと言うと、そうは行きませぬ我々もネズミを退治しますと言うので、わかりもうした怪我、
しないようにと言うと、
店を出ると山形達が鉄砲を持って待っており、船子10人が弓と鉄砲10丁を持っています、まず七衛門が照明弾を打ち込み、山形達が三発づつ連射しろそれで15人はお陀仏じあ、後は、
七衛門達が炸裂弾を10発打ち込めば壊滅するじあろう、残りは全員で切りこむぞと言うと、お~というとと屋敷町に向かったのです、後150間に来たときに七衛門が照明弾を打ち込み、
あたりが明るくなると、
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