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別れへのカウントダウン
翌日のコートは明るい空気が流れていた。
柴崎が髪を戻し、黒髪短髪になっていたからだ。
「やー柴崎はその髪が似合うな」
「好青年って感じだもんね」
みんなの話の輪に笑顔で会話していた柴崎だったが、
ある人物に声をかけた。周りの空気がひりつく。
「先生。ちょっとお時間いいですか?」
「教官室に来い。おい新田、お前も来い」
新田も呼ばれ顧問、キャプテン、柴崎の3人で教官室に向かう。
「ちーっす。遅れた。みんな何で固まってるの」
不思議そうに根屋がコートに入ってくる。
「いま、柴崎君が先生とキャプテンと一緒に教官室へ」
マネージャーの言葉に、根屋の顔が見る見る青ざめていく。
教官室から出てきた顧問と新田に深々と頭を下げて
柴崎は更衣室に向かっていった。
「おい。冷たいものでもだせよ」
柴崎の玄関先には根屋が立っていた。
根屋は今日も部活をサボったが新田は見ないことにしていた。
「今日新田と何を話していたんだよ?」
「根屋先輩にキスした話をしましたよ」
「キ・・キス!」
「嘘に決まっているでしょう。先輩には関係のない話ですよ」
「俺には言えないのか」
「先輩だから言えないんですよ。あと、言いませんでした。
俺から逃げろって」
「ああ、それな。どう意味だよ逃げるって」
「先輩って意外と鈍いというか、脳筋なのかと・・・」
「なんだよ、お前ケンカ売ってんのか」
「だって、昨日のこと、もう忘れている」
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