モテ男とは付き合う気にはなりません side 麻衣

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「お疲れ様です。昨日メールに添付した図面に不備がございました?」 相葉さんがわたしに気づいて、近づいて来たから挨拶をし、昨日の図面を思い出す。 「いや、図面はいつもながら完璧だった。……昨日の事があったから、気になってきた。 仕事上がりだろ、食事でも行かないか?」 図面でなくほっとするも、昨日の事について話題にされ、眉をひそめる。 そっとして欲しかった。 なのに、心配だったからとわたしの会社までわざわざきた相葉さん。 「すみません。これからヒューマンアカデミーで資格講座の講義を受けるのでご一緒できません。 時間がないので失礼します」 毎週土曜日の夜にヒューマンアカデミーで資格講座の講義を受けているのは事実。 19時からだから、急いで徒歩10分の所にある教室へ行き、1階のコンビニでおにぎりかサンドイッチを購入して、講義の前に腹ごしらえをしていた。 「じゃ、ヒューマンアカデミーまで一緒に行こう」 相葉さんがわたしの隣に駆け寄り、隣を歩く。
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