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「麻衣。……あのさ、麻衣に言うか悩んだんだけど、さすがに被害者の数が増え過ぎてて、このままだと関東圏の清純系女子がみんな滝沢くんに喰われてしまう勢いなんだ」
隼人のやらかしたエピソードはもはや聞き飽きて、耳にたこができそうなレベルに達してる。
「あのね、麻衣。滝沢くん、コンパで女の子引っ掛けて、“本命いるから、一夜限りなら相手してもいい”って言って、完全に滝沢くんの色気にやられた女の子達を次々喰べちゃってるの。
わたしの会社の同期も後輩も何人か喰べられてて、まっ、一夜の夢物語みたいに後悔はしてないようだけど」
隼人に、ワンナイトLOVEでも抱かれたいと、女性達が群がってる…。
《ワンナイトLOVE皇子》という悪名がつくぐらい、隼人は、次から次へと、コンパを渡り歩いて、被害女性を増やしてる…。
「滝沢くん、麻衣にバレてないと思ってるみたいなんだ。滝沢くんが、“本命彼女は売れっ子でワーカーホリップで気づいてない”って言ってるらしくて、さすがに麻衣にバレたら辞めるかなって思うの。
それでさ、今日、滝沢くんが参加するコンパに一緒に来て欲しいんだけど、なんとかならない?」
凛子ちゃんがわざわざランチタイムにわたしの勤めるオフィス側まで足を運ぶぐらいだから、何か、わたしにどうしても伝えたい事があるとはわかってた。
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