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ただ、仕事に明け暮れる日々 side 隼人
最愛の人、麻衣を失った俺には、仕事しか残ってなかった。
麻衣を失うきっかけになった、麻衣にありもしない嘘の情報を流した奴らを許せなくて、アイツらが出すコンペに俺もデザインを出し、奴らのデザインが通らないようにした。
“コンペでなくコンパでも行ってろ”
確実にデザインを出せば、俺のデザインが採用されるようになり、悔しがる奴らを見て、腹の底で思った。
俺に纏わりつく女達に対しては、以前から仕事の話以外は無視していたが、今は冷たく拒絶の言葉を発した。
俺にも、仕事で組む、施工管理をする現場監督や電気工事士などの気心知れた仲間はいる。
建築設計士は1番偉いと威張っている人が多いが、それは違う。
素晴らしい建築物に仕上げるために、一緒に造りあげるというチームと、俺は思っている。
手がけたデザインが採用されなければ評価されない建築デザインの仕事柄、どうしても建築設計士同士はいがみ合ってしまう。
若手でデザインが採用され続けている俺は鼻についても仕方がない。
馴れ合う必要も無いから、毅然とした態度で接し、相手にしなかった。
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