天才建築士の専属をする!?

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隼人が白いプリウスの助手席を開け、わたしに乗るよう合図する。 車に乗り込み、隼人の運転で、次の現場へ向かう。 車内で会話は全く無し。 話題を振るにも、コンパ会場で、わたしは隼人に酷い仕打ちをしたから、気まずくて何も言えない。 次の現場は、車で20分先の場所にあり、わたしがタブレットで空間に合いそうな内装をデザインし簡易式の図面を仕上げてる間、隼人はノートパソコンを開いて仕事をしていた。 本当に多忙らしい…。 わたしが隼人の方を見てると、隼人が立ち上がり、わたしに近づいて来た。 「ここは、こっちの方がいいかな」 わたしが悩んでいたところを、さっとイメージし仕上げた。 2ヶ月間、1人でデザイン関係を全てこなしていただけあって、判断力や作業力が速い。 隼人が1人でやった方が速いんじゃないかと思ってしまった。 「じゃ、次の現場へ向かおうか。 田村さん、また、来ます!!」 「おう!!」 ここの現場でも、隼人は現場監督や大工さんとうちとけてた。 5時間で5件回った。 移動時間があるから、現場での仕事は3時間もしてない。 18時過ぎに、わたしの会社前で降ろされた。 「交通機関で現場に向かうの時間がかかるだろ。来週、13時に迎えに来るから、ここにいて。 俺、今日中にコンペ用のデザインを仕上げないといけないから、もう戻る。来週、ここで、また」 そういうと、隼人は車を発進させて、行ってしまった。 わたしと隼人、恋人同士でなく、協力会社の仕事関係者というより、友達の関係になってる気がした。 隼人とは、友達から発展して恋人同士になったんじゃなく、出会ってすぐの頃から惹かれ合い付き合っていた。 だから、友達関係で接することが、寂しく思った。 これからわたしは、隼人と友達として、仕事をしていかないといけない。 それが、とても、辛く感じた。
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