浮気男に公開処刑 side 柳瀬麻衣(やなせまい)

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相葉さんがわたしの前に座り、河口さんもその隣に座る。 仕事が終わったのに、仕事の話を始めそうな予感。 失礼になるから、料理を口に運ぶのをためらう。 「柳瀬さん、どうぞ、召し上がって。 俺、妥協せずに依頼するから、もしかして無理させてるかもしれないな。 柳瀬さん、他の仕事も何件か受け持ってるんだっけ?」 机に頬杖ついて、わたしをじっと見つめながら相葉さんが言う。 インテリ系イケメンのこのポーズは萌えるのか、後ろのギャラリー化した女性達が小さく黄色い声を上げる。 「失礼して、頂かせて貰います。 仕事だから、気にしないで下さい」 お皿に盛った料理を口に運ぶ。 見られてるのが恥ずかしい…。 23時半に解散だから、後1時間でお開きになる。 隣を見ると、凛子ちゃんと河口さんは、話が弾んでいた。 凛子ちゃんも小さい設計事務所でリフォーム関係の設計士をして、同業者だからか、話が合うのだろう。 「柳瀬さんは週末は何してるの?」 コンパでお馴染みワード。 週末に何をしてるかを相手に聞く。 「土曜日は仕事で、日曜日も半日仕事からの資格の勉強ですかね…。まだ、1級建築士の資格はとれてないんですよ…」 普通なら、惹くでなく引く、回答。 他の女性なら、料理や手芸、と答えるだろう。
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