浮気男に公開処刑 side 柳瀬麻衣(やなせまい)

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浮気男に公開処刑 side 柳瀬麻衣(やなせまい)

「麻衣、滝沢くん、コンパでまた、女の子をお持ち帰りしたらしいよ?」 中堅ゼネコン会社に勤めてる大学時代の友達、中澤凛子ちゃんから誘われて、ランチタイムにわたしの勤めているオフィス側のイタリアンの店で待ち合わせをした。 (また、この手の話か…) 海老とほうれん草のトマトクリームパスタをパクつくわたし。 ピンクグレープフルーツジュースを一口飲み、溜息をつく。 「わたし、仕事が忙しくて、なかなか隼人と会えてないんだ。 隼人が毎週恒例のように金曜日の夜にコンパに参加して、他の女性とやってるのは知ってるよ」 大学入学してオリエーションキャンプの時に、滝川隼人(たきがわ はやと)と意気投合し、付き合い始めて10年目を迎えようとしてた。 大学院修士課程を出て、インテリアプランナーとして働き始めて4年目に入り、そろそろ隼人との結婚も考え始めてた。 でも、大学時代と違って、常に側には居られない。 就職してから、有り難い事に、わたしを指名しての仕事を多く頂き、隼人と会う時間を、なかなか作れなくなった。 そして資格取得の為に夜間の学校に通ったのもあり、月に1回ぐらいしか会えてなかった。 だから、隼人が、離れていっても仕方がない気はする。 スーパーゼネコンに勤める彼と、インテリア建設会社に勤めるわたし。 仕事で絡みがあるから、彼の同僚からも、隼人の浮気話は耳に入る。 建設会社に勤める友人達も律儀にわたしに報告してくる。 挨拶のように、他人から隼人のワンナイトLOVEの慣習を聞き、隼人が汚らわしく思い、仕事が落ち着いてる時も何かと理由をつけて会わず、会う日は意図的に生理の時に会い、彼と身体を繋ぐ行為を無くした。 学生時代は上手くいっていても、就職をしてからすれ違いから破局するカップルは多い。 まさか、わたしと隼人もそうなるとは思わなかった。
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