雨のち恋日和

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(傘はあげちゃおう。それから、そのあと車内が変な空気になるのは耐えられないから、最後の、降りる瞬間に声かけよう。そしたら周りの人に好奇の目で見られることもないはず!) 私はバッグの中を探った。 ハンカチがわりに持っているミニタオルは、今日は水色のものだった。 端にスミレのワンポイント刺繍が入っているけれど、許容範囲だろう。 いつもはあっという間に着いてしまうターミナル駅なのに、今日だけはなんだかいつまで経っても着かないように感じられる。
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