雨のち恋日和

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けれど人間の──あるいは私の──順応性というのは驚くべきもので、一度そうやって避けてしまえば、それ以降はずっとそれが当たり前になってしまったのだ。 (これで、いいよね……) ストーカーだと思われる心配もないし。 繰り返すけど私はビニール傘が好きじゃないし。 一応新品だから、もらって悪いものでもないだろうし。 ただ私の目の保養がなくなっただけで。 私は、バッグから文庫本を取り出し、物語の世界へと没頭した。
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