雨のち恋日和

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毎朝乗る通勤電車で、たった十数分乗り合わせるだけの、どこの誰とも知らない、話したことすらない相手。 その姿に、私は毎朝癒されている。 (って、こんなこと思われてたら気持ち悪いだろうけど……) 私はまた、あの人が立っているであろう方向に目を向けた。 が、人垣に阻まれてその姿は見えない。 私はふっと静かに息をついた。
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