11章「彼女の笑顔が一番美しい」

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           * 時間が経つのは早く。顔合わせの前に、美穂ちゃんと会う日を迎えた。 場所は美穂ちゃんから指定された、最近流行りのカフェとなった。 俺達はそのカフェについて全く知らず、二人で、「流行ってるんだ」なんて話した。 どうやら巷では、写真を投稿するSNSで流行っているらしく、そういうツールを一切使わないので、何がなんだが全く分からなかった。 そして、待ち合わせ場所に着くと、多くの人で賑わっていた。 人混みに酔いそうになったが、なんとか美穂ちゃんを見つけることができた。 「お姉ちゃん…」 理穂が美穂ちゃんに声をかけてくれた。理穂の声に気づき、美穂ちゃんはこちらを振り返ってくれた。 「理穂。そして、裕也さん。来てくれてありがとうございます」 お店は混んでいるが、美穂ちゃんからは余裕の表情を感じる。 どうやら、先にお店を予約してくれていたみたいだ。 予約しておいてくれたお陰で、既に席が確保されており、すんなりと席に座れた。 「久しぶり。元気にしてた?」 久しぶりに見た美穂ちゃんは、笑顔で輝いていた。 美しさが変わらないと思った。もちろん、理穂の方が綺麗だが…。 美穂ちゃんは、人を惹きつける力がある。そんな美しさを持った女性だ。 「はい。元気にしてましたよ。裕也さんのことは、理穂からよく話を聞いてます。二人が仲良くやっているみたいで、安心してます」
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