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こんなふうに会話ができることを、数ヶ月前なら想像できなかった。
こうして、美穂ちゃんと再会できたのは、理穂がいるからだ。
全ては彼女のお陰だ。彼女がいたから、今がある。
「そう言ってくれてありがとう。仲良くやってます」
「あの…。結婚おめでとうございます。結婚式、楽しみにしてます」
「ありがとう。楽しみにしてて。素敵な式にするから」
「いいな。私も早く彼と結婚したいな…」
それから、美穂ちゃんの彼氏の話になった。真面目でお堅い人らしく、そこを好きになったが、今ではそこが問題となっているみたいだ。
愚痴を零していたが、そこも含めて惚気なのだと思う。話を聞いていて、顔が緩む瞬間がたくさんあった。
「お姉ちゃんは、それでも好きなんでしょ?その人のこと」
なんて理穂はバッサリ話を切っていた。
姉妹ならではの会話だなと…思った。
「好きよ。好きだからこそ、ちょっとしたことで一喜一憂してるの。
はぁ。二人が幸せなオーラを見せつけてくるから、早く私も幸せになりたいって思ったよ」
嫌味を言われても嫌な気さえしない。
寧ろ褒め言葉として受け止めて、更に顔が緩む。
「裕也さん、気持ち悪いですよ?せっかくのイケメンが台無し」
「お姉ちゃんに同意。今、気持ち悪いですよ?」
二人から貶された。それでも俺の顔は、完全に緩みきっていた。
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