11章「彼女の笑顔が一番美しい」

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こんなふうに会話ができることを、数ヶ月前なら想像できなかった。 こうして、美穂ちゃんと再会できたのは、理穂がいるからだ。 全ては彼女のお陰だ。彼女がいたから、今がある。 「そう言ってくれてありがとう。仲良くやってます」 「あの…。結婚おめでとうございます。結婚式、楽しみにしてます」 「ありがとう。楽しみにしてて。素敵な式にするから」 「いいな。私も早く彼と結婚したいな…」 それから、美穂ちゃんの彼氏の話になった。真面目でお堅い人らしく、そこを好きになったが、今ではそこが問題となっているみたいだ。 愚痴を零していたが、そこも含めて惚気なのだと思う。話を聞いていて、顔が緩む瞬間がたくさんあった。 「お姉ちゃんは、それでも好きなんでしょ?その人のこと」 なんて理穂はバッサリ話を切っていた。 姉妹ならではの会話だなと…思った。 「好きよ。好きだからこそ、ちょっとしたことで一喜一憂してるの。 はぁ。二人が幸せなオーラを見せつけてくるから、早く私も幸せになりたいって思ったよ」 嫌味を言われても嫌な気さえしない。 寧ろ褒め言葉として受け止めて、更に顔が緩む。 「裕也さん、気持ち悪いですよ?せっかくのイケメンが台無し」 「お姉ちゃんに同意。今、気持ち悪いですよ?」 二人から貶された。それでも俺の顔は、完全に緩みきっていた。
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