11章「彼女の笑顔が一番美しい」

7/13
前へ
/227ページ
次へ
二人に助けてもらったお陰で、なんとか無事に参加者の人数と、誰が参加するのか把握することができた。 あとは無事に結婚式を迎えるのみ…。なんとか無事に結婚式を迎えられるように祈った。 ちなみに、結婚しても理穂は働き続ける。俺の給料だけでもやっていけるので、専業主婦になってもいいと提案したのだが、 『私は今の仕事が好きだから、せめてあと半年だけは今の仕事をしたい』 …とお願いされた。理穂が幸せなら、仕事をしていようがなかろうが、俺としてはどちらもでよかった。 なので、俺は理穂の気持ちを尊重することにし、共働きしていくことにした。            * いよいよ、結婚式当日を迎えた。 いざ本番を迎えると、緊張せずにはいられなかった。 今日の主役は理穂だ。もちろん俺も主役ではあるが、ここは女性に華を持たせるのが、結婚式の男の役目である。 式場の下見の際に、二人でドレスを見に行った。 その時に理穂のドレス姿を見たのだが、綺麗だった。 でも今日は、今までで一番美しいであろう。その横に立てることが光栄だ。 「裕也さん。支度が終わったので、いいですか?」 着替えが終わり、一番最初に俺に見せに来てくれた。 最愛の人の晴れ姿を誰よりも先に拝めるのは、正直、嬉しかった。 「どうぞ。こちらも支度が終わったから、大丈夫だよ」 「それじゃ、お言葉に甘えて。失礼します…」 ウェディングドレスを身に纏った理穂が、目の前に現れた瞬間、俺の心は一気に理穂に奪われてしまった。 「綺麗だね。見蕩れちゃいました…」 理穂は俺の褒め言葉に撃沈し、恥ずかしさで悶絶している。 「裕也さんもかっこいいです。タキシード姿、よく似合ってます…」
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

79人が本棚に入れています
本棚に追加