11章「彼女の笑顔が一番美しい」

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まさか自分のことを褒めてくれるとは思いもせず、不意を衝かれてしまった。俺まで恥ずかしさで悶絶した。 「新郎さんと新婦さん、そろそろスタンバイお願いします」 バージンロードを歩くために一旦、俺の元を離れ、お義父様の元へと向かった。 「今日からうちの娘をよろしくな」 部屋を出ていく前に、肩をポンと叩かれた。肩から想いが伝わってきた。 娘が巣立つことの寂しさと嬉しさが入り混ざった、とても複雑な心境であることを悟った。 「はい。任せてください」 二人が先にスタンバイする。緊張しているのか、あの優しいお義父様も顔が強ばっていた。 「新郎さん、入場お願いします」 先に俺が会場に入場した。そして、後から理穂とお義父様が腕を組み、入場する。 ゆっくりと一歩ずつ、バージンロードを歩く二人。 俺の元に辿り着いた時、お義父様から理穂の手を受け取り、今度は俺が理穂と腕を組み、祭壇まで歩いた。指輪を交換し、誓いのキスをした。 無事に誓いのキスを終えると、次は披露宴だ。 お色直しをし、披露宴の会場へと向かった。 いつもなら、新郎新婦って美味しい料理を食べられず、可哀想だなと思っていた。 いざ自分がその立場に回ると、美味しいものが食べられなくても別に構わないと思えた。 だって、理穂の花嫁姿だけで、既にもうお腹いっぱいだから。 「お待たせ致しました。それでは、新郎新婦のご入場です」 司会の方のアナウンスにより、俺達は披露宴会場に入場した。 席に着き、会場全体を見渡した。たくさんの方が俺達を見ており、こんな大勢の方にお祝いしてもらえていることに、心から感謝した。 俺達も美味しい食事を少しだけ堪能し、披露宴の雰囲気を楽しんだ。 披露宴には色んなコーナーがあり、中でも皆が注目するコーナーはスピーチだ。 俺の方の友達枠は、代表で愛と先輩がスピーチしてくれた。 二人のスピーチを聞き、感動のあまり思わず涙しそうになった。
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