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新婚初夜ということもあり、盛り上がってしまい、明け方まで求め合った…。
理穂は疲れ果て眠っている。そんな理穂の寝顔はとても幸せそうな顔をしている。夢の中でも幸せなのであろう。
何度も寝顔は見ている。それでも今日の寝顔が一番可愛いと思った。
俺は今日という日を、絶対に忘れないと思った。
「ん…眠い……」
理穂はまだ眠いみたいで、寝ぼけていた。
なので、ギリギリまで寝かせてあげることにした。
「まだ眠いなら、寝てても大丈夫だよ。疲れてると思うし」
「…嫌だ。起きたい」
珍しく駄々を捏ねている。どうやら、理穂には起きたい理由があるみたいだ。
「今日は特別な日なので、一分一秒でも無駄にできません…」
理穂はそう発言した直後、頑張ってすぐに起きた。
そして、起き上がってすぐに、ホテルの窓辺から見える、外の景色を眺めていた。
「理穂さん、景色を眺めるのはいいんだけれども、ちゃんと前を隠してね」
裸のまま眠ってしまったため、まだ衣服を身に纏っていない状態だ。
なので、俺が慌てて、近くにあったバスタオルを渡した。
その時、理穂がようやく裸であることに気づいたみたいだ。
「ありがとう…ございます。忘れてました。裸であることを…」
そんなおちょっこちょいなところも愛おしい。
手を伸ばし、髪に触れた。すると、理穂は嬉しそうに頬を染めながら、話し始めた。
「…この景色を、裕也さんと一緒に見たかったんです」
「ありがとう。この綺麗な景色を、俺に見せてくれて…」
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