その時……宵の明星を見付けた

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 帰宅すると、恭子はすぐに昭一が持っている袋を見付けて、 「あら? それは? だけどミミはいなかったのね……」 「いや。それがね……」  と彼は事情を話した。  すると彼女は、段々と笑顔に変わっていき、 「それはいいわね……。じゃ、今日の夕方は、私がミミを迎えに行くわ。 そして、そのおばあさんと友達になるわ。いいでしょう? おばあさん、一人で寂しいでしょうから……」 「なるほど。それはいいけど、恭子が行くのは昼間、ミミを貸しに行く時の方がいいよ」  彼女は、声を出して笑い、 「私が行くと、おしゃべりに花が咲いて、1時間くらいかかるから?」  チョコ菓子のためのお茶を入れた。 「それは分からないけど、夕方の女性の独り歩きは危険だからさ」  ふっと笑いを止めて、  「なーるほど」 「キミは一応、おばさんだけど、世の中、色んなヤツがいて、狙われないとも限らんから……」 「はいはい。そうします。じゃ、お夕飯の用意をしましょっと」  キッチンへ向かった。  昭一は、お茶が半分ほど残ったコップを持つと、仕事場に向かった。
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