古い本

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古い本

それは大きな本だった 二人の膝の上を台にしてようやっと読めるような、重厚感のある古い本だった 別にそれは卓の上に支えても 古くなくても なんなら本でなくても、全然良かった 隣で捲られるたび、端が崩れて ぽろぽろ ぼろぼろ 或いは ほろほろ だから、膝をよせてそうっと覗くしかなかった そこは暗い階段で 手燭はひとつしかなくて (ページ)は白紙で 塵や埃がお墓の燐みたく きらきら きらきら 光ってた。 9b4845f0-a00b-44a1-924c-08ae209b1f07
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