第11章 反撃の狼煙(その1)

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そうしてブリーフィング・ルームに集った俺とアル、スミスと軍人二人。 に加えてモニターにアイン。 部屋の隅には暗がりが溜まり、青白い一枚のモニターの光が外界から遮断された室内を照らす。大人10人が収まる広さに黒い部屋から逸脱した黄土色に錆び切った椅子とテーブルが置かれている。 壁面のモニターの明かりで見えるその錆びた椅子たちを目で追いながら、 彼らと共に座る。二重、三重に包帯を巻かれた俺の頭から帽子を取り外すと ざらざらとしたテーブル天面に置いた。 「さっそく本題に入ろう」 アルがモニターに資料を表示する。 そこには円筒状の”何か”が写されていた。 その何かが白い背景の前に黒い線繋ぎとなる。 相当なシナプスの流れを経てその何かが3Dデータであることが分かった。 中央の円筒の吹き抜けと段階ごとに仕切られた箇所に説示するように吹き出しが追加される。 この建造物のちょうど真ん中に存在する空間はかなり大きな"温室"のようだ。 "種子保管庫"、"居住スペース"... そんな項目たちでその線が巨大な建造物の3Dデータであると気が付いた。 掲示内容から生物系の研究施設であるようだ。 「スペースコロニー”箱舟"...フンセン、REはここにいる」 「宇宙移住施設(スペースコロニー)...だと!?」 俺は激しく耳を疑う。 そして... 「そしてREの目的はその"箱舟"にある超兵器で 地球表面をマグマオーシャン化させ、生命の誕生を見るためだ」 創作かのような地球全体を巻き込んだ目的。 それに対し、俺は愕然と箱舟の見取り図を眺めることしかできなかった...
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