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カルダ・ヴラド
「カルダ……どうして……」
首から血を流している彼女が言った。
ぼろぼろと涙を流しながら悲しそうに、悔しそうに。
「愛してたのに」
声もなく、口が動く。
こちらに伸ばしていた手が血溜まりに沈む。ぴくりとも動かなくなった彼女は死んだらしい。
生気を失った白い手に触れるとひんやりとした体温が分かった。
彼女を殺したのは私だ。
吸血鬼、カルダ・ヴラドが手にかけた。
--彼は良き隣人ですか?
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