ダーリンがラスボス

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と、 お調子者の夏川君が、堪えきれないように囃し立てた。 「ほらほら、そんな回りくどい言い方しないで! 社長(たってわっき)さ~ん、もっと別な角度からの報告があるんでしょ~~??」 コホン。 帯刀さんが、ひとつ空咳をする。 「えーっと、…小橋さんは、6月を持って退社となりますが、今後も何かと、皆さんと顔を会わせることになろうかと思います」 “えー、何でだろう?分かんなーい” 会場からからかい交じりのヤジが飛ぶ。 むむっ。 突っ立ったまま、私は少し俯いた。 「…というのも…えーっと…… ここでひとつご報告があります。 全くの私事ではありますが… 7月に入籍することになりました。 ささやかながら披露宴も準備しておりますので___」 「ちょっとちょっとー、帯刀さーん。主語がなくちゃ分かんないわよー」 「誰と~、誰がぁ~~~?」 再び会場からヤジが飛ぶ。 うう、できるならこの場から走り去りたい。 それが叶わないならば、せめてこはしがちょうど入るくらいの穴がほしい。 「……あー…と」 ポリ。 彼が、むずがゆそうな顔をして鼻の頭を掻いた時。 ♪Des yeux qui font baisser …♪ 「ヲーホホホホッ。それはモチロン、ワッキーとアタシに決まってるでしょー!」 情熱的なシャンソンのバックミュージックとともに、どこからともなく、shinさんが現れた。
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