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「ヲーッホホホホホッ」
ショッキングピンクのオーラを纏って、アイツが舞い戻ってきた。
「ああ、shinさん。お帰んなさい」
ニコニコと笑う私から、さっと飲み物を取り上げると、彼はぐびりと喉を鳴らし、イッキに飲み干す。
然り気無さを装い、ハマさんがススッと向こうへ逃げて行った。
「ブッッフアアアアッ。
ふーんだ、コムスメ。
ちょっとばかし帯刀と結婚するからって、調子乗ってんじゃないわよ!
あんたなんてねえ、所詮、私とワッキーの真実の愛を守るためのスケープゴート!
偽装結婚、ケーヤク結婚なんだから!」
「はああー?
何すかソレ。そんなワケないじゃないですか!
ご心配なく。帯刀さんと私は、常にラッブラブのイッチャイチャですぅ~~」
「はっ!
そんな嘘がアタシに通用すると思って?
ラブラブゥ~?イチャチャァ~?
ふんっ、片腹痛いわっ。
私にはねえ、あんた達が偽装だっていう確信があるの。
フフフ…フフフフフフフフフ…」
「な、何ですか、その気持ち悪い笑いは。
そんなモノがあるってんなら証明してみてくださいよ、え!」
「あら小娘、強気に出たわね。
アンタ…それは、自分でもよーくわかってるんじゃない?」
「いーや、ゼンゼン」
「ヲーッホホホホホ!
とんだ間抜けね。
いいわ、じゃあ教えてあげる!
それはね…
……………。
あなたたちが、
まだ、
一線を越えてないことよーーー!!
ビシイッ。
shinさんは、某名探偵のように斜め立ちになり、まっすぐに私の鼻先を指差した。
(ことよー…コトヨー…コトヨー…)」
広いホールに、反響音が響く。
「う、
うわあああああああっ!
な、なぜshinさんがそれを…
まさか、帯刀さんが喋って…」
「フフフ…
やはりね。私の勘は間違っていなかったわ。
つまり、
あんたは帯刀さんにとって、ただのカモフラージュ!
だからいつも、思わせ振り、寸止めのまま!
真実の愛は、アタシとともにあるってことよーーーッホッホッホッホ…」
「ウッワアアアーー、そーだったのかあぁぁああああ!
負けちまったアアーッ」
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