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「ホラホラ、こはっちゃんはそこじゃないでしょ、今日の主賓なんだから。
真ん中きて、真ん中」
「え、え…」
ひっそり隅っこに立っていた私は、皆にバケツリレー方式で送られ、あれよのうちに、まん前のど真ん中、帯刀さんと隣合わせにさせられてしまった。
にわかに、後ろの方が慌ただしく動き出す。
む、こりゃあ、みんなで何か企んでるな?
と、
「えー…と、」
コホン。
空咳をひとつし、帯刀さんが少し頬を赤くして、私に向かって姿勢を正した。
対する私も、連られるように彼に向かい合うと、彼は徐に、後ろ手に受け取った何かを私に差し出した。
「こはしさん、今までありがとうございました。
_____で、これからもよろしく」
目の前に差し出されたのは、鮮やかな赤のバラの花束。
「フフーン、この私、shinのプロデュースよ」
shinさんが誇らしげに言う。
「あ、あの…私」
震える手でそれを受けとると、一斉にホールは拍手に包まれた。
私は_____
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