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議題 『朝の習慣について』
莉湖
「それではこれより、『HHH』日常報告会を始めます。今日の議題は、朝の習慣についてです。」
2年生であり部長の篠崎 莉湖のこの一言で、今日のミーティングは始まった。
莉湖
「まずは2年生から発表してもらいたいと思います。皆藤さん、あなたからお願いします。」
莉湖から話を振られたのは同じく2年生の皆藤 蓮叶だ。
蓮叶は突然机をバンッと叩いて立ち上がった。
蓮叶
「だーかーらー!何回も言ってるじゃん!蓮叶って下の名前で呼んでって!名字で呼ぶな、さん付けするなー!」
莉湖は遠くを見つめて何も言わない。
蓮叶
「距離縮めようよぉ〜、りこりこ〜」
蓮叶は莉湖にじわじわと近づく。
莉湖は遠くを見つめて何も言わない。
その話の中を1人の生徒が割って入った。
杏奈
「諦めろって、蓮叶。莉湖とは小学から一緒だけど、アタイだって1回も下の名前で呼ばれたことねぇんだからよ」
辻 杏奈。
莉湖とは小学2年生から一緒の幼なじみだ。
杏奈の話を聞いて、蓮叶は諦めて座った。
さらにその状況を見ていたもう1人が小さく呟く。
静音
「2人とも暑苦しいからじゃないですか・・・?」
山尾 静音。
1年生で『HHH』副部長だ。
杏奈
「あぁ!?静音!てめぇ、今なんつった!?喧嘩なら買うぞコラ!?」
蓮叶
「そうだよ、しずっち!ちょっと酷くない!?」
莉湖
「静粛にしてください。今は発表の場ですよ?」
杏奈と蓮叶を莉湖の一声が鎮めた。
静音はフッと小さく笑った。
望
「やっぱり先輩達の話は面白いですね〜」
1年生で書記担当の平原 望がメモを取りながら言う。
莉湖
「平原さん。ここまでの会話はメモに記さなくて結構です」
望
「え〜、せっかく面白いのにぃ〜」
落ち込む望に莉湖は何も言い返さず、ため息をついた。
以上の5名が麗鳳女子高等学校、『HHH』のメンバーである。
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