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この子は雅苗字は分からない。現在小学校一年生。
外見は真っ黒の髪を2つに結い上げ、白い肌に大きな薄い茶色の瞳と長いまつ毛を持ちまるでお人形さんのようだ……と、周りからよく言われている。俺としてはあの魔法使いに似ていて好かないが。
1年前に俺(というか猫)を拾ってそれからずっと良くしてくれている。
小学校とやらには今は通っていない。何故かはちょっとわからない。
俺が分かる情報はこれくらいだ。
確実にわかるのは、雅はびっくりするくらい優しい少女だ……というくらいか?
泥だらけで死にそうだった俺を服が汚れるのも構わず連れて帰ってくれたらしい。
両親、結構うるさいのに良くするよ。
彼女の両親は基本家に居ない。
どこぞの大企業で忙しく働いている……らしい。
なので雅は基本一人だ。
たまにお手伝いさんってやつが家の事をこなして帰っていく。
それでもあいつは笑ってる。
その年の人間がひとりじゃ寂しいことくらい俺だってわかる。
だから俺も無償で彼女を守ってやりたい。元気づけてあげたいって心の底から思うのかもしれない。
にゃーんと一声鳴き、雅に擦り寄って見せる。
「けいたい」とやらを片手に悲しそうな顔をしていた雅は俺の行動に少しだけ驚いた様子を見せた。
「らーちゃん……」
眉を八の字にしながらも俺の体を抱き上げ抱きしめてくれる雅。
「おかーさん……今日も帰ってこないって」
ポツリ…と、そう漏らした。
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