年上の女

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「じゃあ、次は土屋君よろしくー」 そうこうしているうちに、自己紹介が俺の番になった。 「……あー、名前は土屋(つちや) 颯介(そうすけ)です。 この隣にいる三澤と同じ会社で働いてて、企画運用系の仕事してます。 趣味は音楽聞いたり、映画見たりする事です。 あ、ちなみに一番好きな映画は『さよならの後に始まる夜』です」 その時、俺から少し目を逸らしていた目の前の席の女が、瞬く間に俺にピタリと視線を合わせて、それから呆然と俺を見ていた。 それは、まるで俺の中に何かを探っている様な視線だった。 何だろう……… そう思いながらも、俺は彼女の視線には気付かない振りをして話を続けた。 何がそんなに俺の方を見させる原因になったのかは少しも分からないけど、彼女の視線は俺が話し終わった後も、(しばら)くの間離れる事は無かった。
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