1 見ていて飽きないな。

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食いついて来た。悪かったな、甲斐性なしで。 それからわざわざお前たちにエサを与える気はない。 「さあな」 嘯いて、しかし確信めいたものが芽生えていた。 咲桜がいないから眠れていない。それはたぶん当たりだ。 ……なんだ、それ。 咲桜は生徒で、偽物の婚約者で、いずれは恋人を見つける身。 そんな、咲桜を自分のものみたいに言っていいわけがない。 たとえ近い距離を、今は咲桜がゆるしてくれていても。 咲桜を恋人に出来たらいいのに。 ……そんな言葉が頭の隅に浮かんで、目を閉じることで消した。 あの子に、俺の抱える黒々まで背負わせては、いけない。
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