3 いてくれて、本当によかった。

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3 いてくれて、本当によかった。

side咲桜 「駄目だ……さっぱり作戦が思いつかない……」 「うん……私らってこういうの駄目だったね……」 笑満と二人して頼の机で項垂れていた。頼は今日も机に突っ伏して寝ている。 相談しているのは遙音先輩のことだった。 笑満はどうにか接触をはかりたい。それは一晩のうちに決意した。 けど、どうすればいいのかが全くわからなかった。 二人そろって、恋愛経験、全くなかったからだろうか。 笑満はずっと先輩しかすきになったことがなく、所在もわからなかったために行動のしようもなかった。 私は私で誰かをすきになったことすらなかった。 項垂れるしかない。 「……夜々さんに相談にいく?」 先輩の抱えた過去が大きいだけに、クラスの友人には相談しにくい。 養護教諭にして私のお隣さんである夜々さんならば、私の出生も知っているし秘密は護ってくれる。 「そうだねえ……最後の手だよね」 「じゃあ、放課後行こうか?」
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