れんの話

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俺には幼なじみの女の子がひとり居る。 たまたま家が近くて たまたま歳が同じで たまたまその子のお母さんが俺の母親のファンで。 本田叶美(ほんだかなみ)って名前のその子は 初めから俺の特別だった。 『れんくん、かっこいい。』 かなにそう言って貰えるように、とにかく努力した。 子供の頃は世界は狭くて 俺の世界には女の子はかな1人で かなの世界にも男は俺だけだと思ってた。 かなは自分の意思を主張するのが下手で 本当は嫌なのに、我慢して笑ってる様な奴。 誰にでも優しくて そして綺麗なんだ。 『かなみってちょっとかわいくね?』 『あー。わかる。他の女子みたくうるさくねーし。』 クラスメイトがかなに目をつけ始めた。 正直、ものすごく嫌だった。 それでも、かなの1番が俺のままなら そう思って、俺は努力し続けた。 だけど、そんな努力を嘲笑う様な事件が起きた。
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