70人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
俺には幼なじみの女の子がひとり居る。
たまたま家が近くて
たまたま歳が同じで
たまたまその子のお母さんが俺の母親のファンで。
本田叶美って名前のその子は
初めから俺の特別だった。
『れんくん、かっこいい。』
かなにそう言って貰えるように、とにかく努力した。
子供の頃は世界は狭くて
俺の世界には女の子はかな1人で
かなの世界にも男は俺だけだと思ってた。
かなは自分の意思を主張するのが下手で
本当は嫌なのに、我慢して笑ってる様な奴。
誰にでも優しくて
そして綺麗なんだ。
『かなみってちょっとかわいくね?』
『あー。わかる。他の女子みたくうるさくねーし。』
クラスメイトがかなに目をつけ始めた。
正直、ものすごく嫌だった。
それでも、かなの1番が俺のままなら
そう思って、俺は努力し続けた。
だけど、そんな努力を嘲笑う様な事件が起きた。
最初のコメントを投稿しよう!