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『れん……今日も…一緒に帰れない。』
小5になっても、俺とかなは一緒に帰っていた。
『なんで?』
『先生に……用事頼まれてるから……』
またかよ。
『なんでかなばっかり。断ればいいじゃん。
俺が先生に言ってやろうか?』
『大丈夫!れんは帰って!
……用事は…すぐ終わるし!』
『?』
変なやつ。
仕方なく1人で帰った。
が、どうもかなの様子が気になって
俺は学校に引き返した。
教室には、かなも先生も居なかった。
用事って…なんの用事だよ?
仕方ないから校舎の端から見て回った。
そして、1つの空き教室にたどり着いた。
『いいかい?大人しくするんだよ?』
ボソボソと先生の声がドアの向こうから聞こえる。
『ッひっく…………うぅ……』
この声は……かな!
すすり泣く声に、思わず心臓がドキッと跳ねた。
『大人しくしてれば痛くないし
すぐに終わるからね?』
それを聞いたとき
理性なんて言葉、その時は知ってたかどうか覚えてないけど
頭の中でなにかが弾けとんだ。
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